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2024 .05.16
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2012 .09.19
 寒さがいっそう強まったように思う。
 一年中雪に覆われている凍土が、さらにまた寒くなるという話をきいた。化け物のような土地だ。
 慣れればたいしたこと無いのだろうか?宿の主人は呑みに出かけて帰らない。こんなに冷え切った夜に出かけていくなんて、彼もまた化け物だと思った。
 火の番をまかされてしまったが、暇つぶしにはじめた掃除が一段落したのを頃合いに、二階へひきあげようとしたところで、サムサラ様にお会いした。
 海賊だった過去を軽蔑されるのではないかと思ったが、普段と変わりなく接してくださった。
 俺は、過去を恥じている。
 海賊だったことを恥じているのではない。世で言う海賊とは悪辣非道の輩のことだが、俺にとってツヴァイル海賊団は、俺の居場所そのものだった。悪だの正義だのの介入の余地もなく、俺はそのはじめてできた居場所に依存した。
 依存することしか出来なかったことを恥じている。
 義理も何もなく、勝手に抜けてしまったことも。
 今頃皆は何をしているのだろうか。生きていればいいのだが。
 サムサラ様と他愛のない会話をしているところで、アザラシの獣人マイルが姿を現す。
 扉を破壊するという派手な登場。なんとか俺でも直せる程度のものだったが、アザラシをなめたらいかんなと思う。子供なのになんという剛力なのか。
 人とのコミュニケーションに長けた獣人ばかりと接していたが、マイルはまだまだのようだ。
 俺は少し戸惑ってしまったのだが、サムサラ様はさすがにうまく接していらっしゃった。
 サムサラ様の持つカンテラの炎と同様に、とてもあたたかい方だ。
 優しいサムサラ様と、素直なマイルが接しているところを見ているだけで、穏やかな気持になれた。
 扉を破壊されて寒さのあまりに死にそうだったことも、忘れてしまうぐらい。

 俺に見える花とはいったいなんなのだろう。俺にもあるのだろうか。
 
 

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